関数

VLOOKUP関数(表からデータを探す)

商品コードから名前や価格を自動で引っぱる、定番の検索関数。

📖 このページでわかること

  1. VLOOKUP関数が「何をしてくれるか」
  2. 4つの引数(検索値・範囲・列番号・検索方法)の意味
  3. 完全一致(FALSE)と近似一致(TRUE)の使い分け
  4. 商品リストから価格を引く具体的な使い方
  5. 下にコピーするときの絶対参照($)の使い方
  6. 「#N/A」エラーの原因と、やさしい対処のしかた
  7. HLOOKUP・XLOOKUP・INDEX+MATCHという仲間の関数
fx
こんにちは、セルくんです。「商品コードを入れたら、自動で商品名と値段が出てきたらいいのに…」と思ったことはありませんか。それをかなえてくれるのが VLOOKUP関数 です。辞書で言葉を引くように、表からデータをサッと探してきてくれますよ。少し引数が多くてとっつきにくく見えますが、ひとつずつ分ければとても素直な関数です。いっしょに見ていきましょう。

VLOOKUP関数は何をするもの?

VLOOKUP(ブイ・ルックアップ)は、用意した表を縦(垂直)に検索して、見つかった行から対応する値を取り出してくれる関数です。名前の「V」は Vertical(垂直)の頭文字で、表を上から下へ探していくイメージです。

たとえば、国語辞典で「りんご」という言葉を引くと、その横に意味が書いてありますよね。VLOOKUPもまったく同じで、「探す言葉(検索値)」を表の左端から探し、見つかった行の右側にある情報を返してくれます。

手作業だと、長い名簿から目で「えーっと、この社員番号はどこかな…」と探すのは大変ですし、見落としも起きます。VLOOKUPなら、何百行あってもまばたきする間に正しい行を見つけてくれます。一度数式を組んでおけば、検索値を入れ替えるだけで何度でも使える、というのが大きな魅力です。

たとえると… VLOOKUPは「辞書を引く係」です。あなたが「この言葉を調べて」と渡すと、ページをめくって(表を縦に探して)、その言葉の意味(対応する値)を持ってきてくれます。辞書が五十音順に並んでいるように、表の探し方にもちょっとしたルールがあります。それがこのあと出てくる「検索方法」です。

VLOOKUPの構文(4つの引数)

VLOOKUPには、カッコの中に4つの情報(引数)を順番に書きます。引数と引数のあいだは、半角のカンマ「,」で区切ります。

=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索方法)
例)=VLOOKUP(A2, $F$2:$H$4, 3, FALSE)

それぞれの意味は、次のとおりです。まずはざっと眺めて、このあと1つずつ丁寧に見ていきましょう。

引数意味
① 検索値探したいもの。例:商品コードや社員番号、名前。
② 範囲探す表全体。左端の列が「検索される列」になります。
③ 列番号範囲の左から何列目の値を返すか(数字)。
④ 検索方法FALSE(完全一致)か TRUE(近い値)。基本は FALSE。省略するとTRUE扱いになります。
まず覚えること 4つめの検索方法は、初心者のうちはいつも FALSE(完全一致)でOKです。これで「ぴったり同じものだけ」を正確に探してくれます。逆にここを省略すると思わぬ間違いが起きるので、必ず書く習慣をつけましょう。

4つの引数を1つずつ丁寧に

① 検索値 ― 探したいもの

検索値は「これを探してきて」と渡すキーワードです。セルを指定する(例:A2)のが一般的ですが、"A002" のように直接書くこともできます。文字列を直接書くときは、IF関数と同じく ダブルクォーテーション "" で囲む 必要があります。

大切なルールが1つあります。検索値は、範囲(②)の一番左の列にあるものを探します。商品コードで探したいなら、範囲の左端は商品コードの列になっていなければいけません。ここがVLOOKUPで一番つまずきやすいところなので、あとで詳しく説明します。

② 範囲 ― 探す表全体

範囲は「どの表から探すか」を指定します。見出し行(「商品名」などの1行目)を含めても結果は変わりませんが、含めずデータ部分だけを指定するとすっきりします。

範囲の指定には2つのやり方があります。

③ 列番号 ― 何列目の値を返すか

列番号は「見つかった行の、どの列の値がほしいか」を数字で指定します。商品名がほしいのか、価格がほしいのかをここで決めます。数え方には大事なルールがあるので、次の見出しでくわしく説明します。

④ 検索方法 ― FALSE か TRUE か

検索方法は、探し方のモードを切りかえるスイッチです。FALSE(または 0)なら「ぴったり同じものだけ」を探す完全一致TRUE(または 1)なら「だいたい近い値」を探す近似一致になります。この2つの違いは、このあと専用の見出しでじっくり見ていきます。

「列番号」は範囲の左から何列目か

つまずきやすいのが③の列番号です。これはシート全体の列(A列・B列…)ではなく、②で指定した範囲の中で左から数えた番号です。

たとえば範囲を F:H にした場合、F列が1列目、G列が2列目、H列が3列目になります。シート上ではF列が6番目の列ですが、VLOOKUPにとっては範囲の左端なので「1」です。範囲の左端をいつも「1」として数えるのがポイントです。

範囲が F:H のとき列番号
F列(商品コード)1
G列(商品名)2
H列(価格)3
F2fx
FGH
11列目2列目3列目
2A002みかん80

範囲 F:H では、左端のFが1、Gが2、Hが3。価格がほしいので列番号は「3」(黄色のセル)。

列番号の数えまちがいに注意 「H列だから列番号は8(Hは8番目)」と書いてしまうのは、よくある間違いです。数えるのはあくまで範囲の左端から。範囲が C:H なら、Cが1、Hは6番目になります。範囲を変えたら列番号も見直しましょう。
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具体例1:商品リストから価格を引く

次のような商品リストが F列〜H列にあるとします。

F列(商品コード)G列(商品名)H列(価格)
A001りんご120
A002みかん80
A003ぶどう300
F1fx
FGH
1商品コード商品名価格
2A001りんご120
3A002みかん80
4A003ぶどう300

F列〜H列の商品リスト。左端のF列が「検索される列」になります。

セル A2 に商品コード「A002」を入れたとき、その価格を自動で表示したいとします。次のように書きます。

=VLOOKUP(A2, F:H, 3, FALSE)
A2の値(A002)を F列から探し、同じ行の3列目(H列=価格)を返す → 80
C2fx=VLOOKUP(A2,F:H,3,FALSE)
ABC
1商品コード 価格
2A002 80

A2の「A002」を表から探し、C2に価格「80」が自動で表示されます(緑枠が結果のセル)。

仕組みを順番に追うと、こうなります。

  1. A2 に入っている「A002」を、範囲の左端である F列 から上へ下へと探します。
  2. 2行目で「A002」が見つかります。
  3. その行の左から3列目(H列)の値「80」を取り出します。
  4. 結果として、数式を入れたセルに「80」が表示されます。
商品名を出したいときは? 列番号を 2 に変えるだけです。=VLOOKUP(A2, F:H, 2, FALSE) と書けば、価格ではなく商品名(みかん)が返ってきます。同じ表から、列番号を変えるだけでほしい情報を切りかえられます。

VLOOKUPを実際に入力してみよう(手順)

ここからは、上の商品リストを使って、実際に手を動かしながら数式を入れていきます。1ステップごとに画面がどう変わるかをモックで見せますので、まねしながら入力してみてください。途中で式が長く見えても、ひとつずつ足していくだけなので大丈夫ですよ。

  1. 引っぱってくる元の表(商品リスト)を用意します。ここでは F〜H列に、商品コード・商品名・価格の表があるとします。左端のF列が「検索される列」になることだけ意識しておきましょう。
F1fx
FGH
1商品コード商品名価格
2A001りんご120
3A002みかん80
4A003ぶどう300

元になる表(青い範囲)。この中から答えを探してきます。

  1. 結果を出したいセルを選びます。ここではC2に価格を表示したいので、C2をクリックして選びます。A2には探したい商品コード「A002」が入っているとします。
C2fx
ABC
1商品コード 価格
2A002 

答えを出すC2を選択(緑枠)。番地欄が「C2」に変わります。

  1. 「=VLOOKUP(」と入力します。半角で =VLOOKUP( まで打つと、エクセルが「次は検索値だよ」と引数のヒントを出してくれます。
C2fx=VLOOKUP(
ABC
1商品コード 価格
2A002 =VLOOKUP(

数式バーに「=VLOOKUP(」と表示されます。ここから引数を足していきます。

  1. 検索値としてA2を指定します。探したいのはA2の「A002」なので、A2をクリック(または A2 と入力)して、続けて区切りのカンマ「,」を打ちます。
C2fx=VLOOKUP(A2,
ABC
1商品コード 価格
2A002 =VLOOKUP(A2,

検索値にA2(黄色)を指定。「このコードを探して」とお願いした状態です。

  1. 範囲として F:H を指定します。探す表のF列〜H列を、列の見出し(F・G・H)をドラッグして選びます。F:H と入力してもOKです。続けてカンマ「,」を打ちます。
C2fx=VLOOKUP(A2,F:H,
FGH
1商品コード商品名価格
2A001りんご120
3A002みかん80

範囲F:H(青)を指定。この表の中から答えを探します。左端のF列が検索される列です。

  1. 列番号として3を指定します。ほしいのは価格(H列)で、範囲F:Hの中では左から3番目です。3 と入力し、カンマ「,」を打ちます。
  2. 検索方法としてFALSEを指定します。「ぴったり同じものだけ」を探したいので FALSE と入力します。これで完全一致になります。
C2fx=VLOOKUP(A2,F:H,3,FALSE)
ABC
1商品コード 価格
2A002 =VLOOKUP(A2,F:H,3,FALSE)

4つの引数がそろいました。列番号3=価格、FALSE=完全一致です。

  1. 最後に「)」で閉じてEnterキーを押します。カッコを閉じてEnterを押すと、数式が計算され、C2に価格「80」が表示されます。これで完成です。
C2fx=VLOOKUP(A2,F:H,3,FALSE)
ABC
1商品コード 価格
2A002 80

Enterを押すと結果「80」が表示されます。A2のコードを別のものに変えれば、価格も自動で変わります。

📋 こんなときに使う

VLOOKUPは、2つの表を「キー(共通の番号や名前)」で突き合わせたいときの定番です。実務ではこんな場面で大活躍します。

在庫表と発注表の突き合わせ:発注したい商品コードを入れると、在庫表から現在庫数や保管場所を自動で引っぱってくる。

名簿との照合:社員番号や会員IDを入れると、別シートの名簿から氏名・部署・連絡先を表示する。出席表や名札作りがぐっと楽になります。

価格表との照合:見積書で商品コードを入れると、マスター価格表から単価を自動入力。手打ちによる金額ミスを防げます。

具体例2:社員番号から氏名を引く

VLOOKUPは名簿でも大活躍します。E列に社員番号、F列に氏名、G列に所属が入っているとしましょう。セル B1 に社員番号を入れたら、氏名を表示する数式は次のとおりです。

=VLOOKUP(B1, E:G, 2, FALSE)
B1の社員番号を E列から探し、同じ行の2列目(F列=氏名)を返す

所属も出したいときは、別のセルに列番号を 3 にした式を入れます。検索値(B1)はそのままで、ほしい列だけ変えるのがコツです。

=VLOOKUP(B1, E:G, 3, FALSE)
同じ社員番号から、3列目(G列=所属)を返す

具体例3:成績表で点数を引く

名前を入れたら、その人のテストの点数を出す、という使い方もできます。A列に氏名、B列に点数が並んだ成績表で、セル D1 に名前を入れて点数を引いてみましょう。

=VLOOKUP(D1, A:B, 2, FALSE)
D1の氏名を A列から探し、同じ行の2列目(B列=点数)を返す

このように、VLOOKUPは「キーになる値を入れたら、対応する情報を引っぱる」という場面ならどこでも使えます。請求書、在庫管理、名簿、成績集計など、実務のあらゆる表で出番があります。

完全一致(FALSE)と近似一致(TRUE)の違い

4つめの検索方法は、VLOOKUPの性格を大きく変える大事な引数です。それぞれ何をするのか、具体例で見ていきましょう。

FALSE(または 0)TRUE(または 1)
探し方完全一致近似一致
意味ぴったり同じものだけ超えない範囲で一番近い値
表の並び並び順は自由左端列を昇順に並べる必要あり
見つからないとき#N/A一番近い小さい値を返す
主な用途コード・番号・名前の検索点数→ランク、金額→割引率などの段階判定

完全一致(FALSE)は「ぴったり探す」

商品コードや社員番号のように、1つに決まった値を探すときはFALSEを使います。「A002」を探したら「A002」だけにヒットし、なければ #N/A になります。実務でVLOOKUPを使う場面は、ほとんどがこちらです。

近似一致(TRUE)は「段階で振り分ける」

近似一致は、点数を「80点以上はA、60点以上はB…」のように範囲(区分)で判定したいときに使います。たとえば次のような区分表を、点数の小さい順(昇順)に用意します。

J列(基準点)K列(評価)
0C
60B
80A
=VLOOKUP(A1, J:K, 2, TRUE)
A1が72なら、72を超えない一番近い基準点「60」の行を選び「B」を返す
近似一致は表を昇順に並べる TRUEを使うときは、基準点の列を必ず小さい順(昇順)に並べておかないと、正しい結果になりません。並べ替えが崩れていると、まちがった評価が返ってきます。初心者のうちは出番が少ないので、まずはFALSEをしっかり覚えれば十分です。
検索方法は省略しない 検索方法を書き忘れると、自動的にTRUE(近似一致)として扱われます。完全一致のつもりが近似一致になって、まちがった値が返ることがあります。トラブルを避けるため、いつも FALSE を書く習慣をつけましょう。

下にコピーするときは「範囲」を$で固定

同じ数式を下の行へコピーして使うことはよくあります。たとえば、たくさんの商品コードを並べて、それぞれの価格をまとめて引くようなときです。このとき、範囲がずれないように 絶対参照($) で固定しておくと安心です。

なぜずれるのでしょうか。数式を下にコピーすると、エクセルは「相対参照」といって、参照する場所も一緒に下へずらします。検索値(A2 → A3 → A4…)は下にずれてほしいので都合がいいのですが、範囲まで一緒にずれてしまうと、表の一部しか見なくなり #N/A の原因になります。

列ぜんぶ(F:H)を範囲にする場合はもともとずれませんが、F2:H4 のように範囲を限定したときは、コピーすると範囲も下へずれてしまいます。これを防ぐために、次のように $ をつけて固定します。

=VLOOKUP(A2, $F$2:$H$4, 3, FALSE)
$をつけた範囲は、下にコピーしても固定されたまま動かない
$をつけるコツ 数式の中で範囲を選んだ状態(またはカーソルを範囲の上に置いた状態)で F4キー を押すと、$F$2:$H$4 のように $ が自動でつきます。手で打たなくて大丈夫です。F4を押すたびに、$の付き方が「両方→行だけ→列だけ→なし」と切りかわります。

「#N/A」エラーの原因と対処

VLOOKUPで #N/A と表示されたら、それは「探した値が見つかりませんでした」という合図です。こわいエラーではなく「該当なし」のお知らせだと考えてください。よくある原因と対処を、ひとつずつ見ていきましょう。

原因対処
検索値が表の中にない(打ちまちがい)検索値と表の値を見くらべて確認する
余分な空白が入っているTRIMで前後の空白を取り除く
文字列と数値の型違いどちらかにそろえる(後述)
検索値が範囲の左端列にない左端が検索列になるよう範囲を選び直す
範囲が下にずれた(列ズレ)範囲を $ で固定する
よくある失敗:#N/A が出てしまう

下の画面のように、結果のセルに #N/A と出てしまうことがあります。これは「探した値が見つからなかった」という合図です。あわてず、原因を順番に確かめましょう。

C2fx=VLOOKUP(A2,F:H,3,FALSE)
ABC
1商品コード 価格
2A009 #N/A

A2の「A009」が表(F列)に存在しないため #N/A に。打ちまちがいや、そもそも表に無いコードが主な原因です。

原因と直し方を、よくある順にまとめました。

  • 検索値が表に無い・打ちまちがい → 原因:探したコードが表に存在しない。直し方:検索値と表の値を見くらべ、つづりや番号を確認します。
  • 全角・半角のちがい → 原因:見た目は同じ「A002」でも、片方が全角、片方が半角だと別物扱い。直し方:どちらかにそろえます。英数字は半角に統一すると安全です。
  • 範囲が下にズレた → 原因:F2:H4 のように限定した範囲を $ で固定せずコピーし、範囲が下にずれた。直し方:範囲を選んで F4キー$F$2:$H$4 と固定します。
  • 検索値が範囲の左端にない → 原因:探したい値が範囲の一番左の列に入っていない。直し方:左端が検索列になるよう範囲を選び直すか、列の並びを入れ替えます。

余分な空白が原因のとき

見た目が同じ「A002」でも、末尾に余分なスペースがあると(「A002 」)、エクセルは別物として扱い #N/A になります。TRIM関数で前後の空白を取り除いた値で試すと、原因がスペースかどうか切り分けられます。

=VLOOKUP(TRIM(A2), F:H, 3, FALSE)
検索値の前後の空白を取り除いてから探す

文字列と数値の型違いが原因のとき

同じ「1001」でも、片方が数値、もう片方が文字列だと、VLOOKUPは別物とみなして #N/A になります。セルの左上に緑の三角マークが出ていたら、数値が文字列として入っているサインです。表と検索値で、数値か文字列かをそろえるのが対処です。

IFERRORでやさしく表示する

「見つからないときは、#N/Aではなく やさしいメッセージを出したい」場合は、IFERROR関数でVLOOKUP全体を包みます。

=IFERROR(VLOOKUP(A2, F:H, 3, FALSE), "該当なし")
見つかれば価格を、見つからなければ「該当なし」と表示する

空欄に見せたいときは、メッセージのかわりに ""(空文字)を指定します。=IFERROR(VLOOKUP(A2, F:H, 3, FALSE), "") と書けば、見つからないセルは空白に見えます。

検索値は範囲の「一番左の列」にある

VLOOKUPの最大のクセが、これです。探したい値は、必ず範囲の左端の列に入っていなければなりません。そして、返せるのはその右側の列だけです。

たとえば「商品名から商品コードを引きたい」のに、表が「コード→商品名」の順(コードが左)だと、商品名は右側にあるので検索できません。VLOOKUPは左から右へしか見られないからです。

左にある値は引けない 検索したい列より左側の値は、VLOOKUPでは取り出せません。対処は2つあります。①表の列の並びを入れ替えて、検索したい列を左端に持ってくる。②次に紹介する XLOOKUPINDEX+MATCH を使う。これらは左右の制限がありません。

仲間の関数:HLOOKUP・XLOOKUP・INDEX+MATCH

HLOOKUP(横に探す)

VLOOKUPが表を縦に探すのに対し、HLOOKUP(エイチ・ルックアップ)は表を横(水平)に探します。Hは Horizontal(水平)の頭文字です。月ごとのデータが横に並んでいる表など、見出しが上の行にあるときに使います。構文はVLOOKUPとよく似ていて、「行番号」を指定する点が違います。

XLOOKUP(新しくて使いやすい)

Microsoft 365 や新しめのExcelには、XLOOKUP関数が用意されています。検索する列と返す列を別々に指定できるので、左端しばりがなく、左側の値も引けます。見つからないときの表示もその場で指定できて便利です。

=XLOOKUP(A2, F:F, H:H, "該当なし")
A2をF列から探し、対応するH列の値を返す。なければ「該当なし」
古いExcelでは使えないことも XLOOKUPは比較的新しい関数です。古いバージョンのExcelでは使えないことがあるため、ファイルを人に渡すときは相手の環境に注意しましょう。まずは幅広く使えるVLOOKUPに慣れておくと安心です。

INDEX+MATCH(昔ながらの万能コンビ)

XLOOKUPが使えない環境でも、INDEXMATCHを組み合わせると、左側の値を引いたり、自由な方向で検索したりできます。MATCHが「何行目にあるか」を調べ、INDEXが「その行の値」を取り出す、という二人三脚です。

=INDEX(G:G, MATCH(A2, F:F, 0))
A2をF列から探した行番号を使い、G列の値を取り出す(0は完全一致)

少し難しく見えますが、「左の値も引ける」「列を挿入してもズレにくい」といった利点があり、慣れると手放せなくなる組み合わせです。まずはVLOOKUPに慣れてから、必要になったときに覚えれば十分です。

どれを使えばいい? 迷ったら、まずは VLOOKUP(FALSE) で大丈夫です。左側の値を引きたくなったら XLOOKUP(新しいExcel)か INDEX+MATCH(古いExcelでもOK)、と覚えておきましょう。

Mac版・バージョンによる違い

VLOOKUP自体は、Windows版・Mac版・古いバージョンを問わず、ほぼ同じように使えます。違いが出やすいのは新しい関数のほうで、XLOOKUPやIFSは新しめのExcel(Microsoft 365 など)でないと使えないことがあります。職場や学校のExcelで使えるかどうかは、実際に入力して試すのが確実です。

確認ミニ練習(○×クイズ)
VLOOKUPの「列番号」は、指定した範囲の左から数えた番号である。○か×か?
完全一致でぴったり探したいときは、4つめの検索方法に FALSE を指定する。○か×か?
検索値は、範囲の一番右の列に入っていなければならない。○か×か?
範囲を $F$2:$H$4 のように $ で固定すると、下にコピーしても範囲がずれない。○か×か?
#N/A は数式の書き方そのものが間違っているという意味で、IFERRORでは隠せない。○か×か?
近似一致(TRUE)を使うときは、検索される左端の列を昇順に並べておく必要がある。○か×か?
よくある質問
VLOOKUPで「0」が表示されてしまいます。なぜ?
A. 探した先のセルが空っぽ(未入力)のとき、VLOOKUPは「0」を返します。見つかってはいるので #N/A とは別です。空欄に見せたい場合は、表のもとの空欄に値を入れるか、=IF(VLOOKUP(...)="","",VLOOKUP(...)) のように工夫します。
TRUE(近似一致)はどんなときに使うの?
A. 点数を「80点以上はA、60点以上はB」のように範囲(区分)で判定したいときに使います。ただし表を昇順に並べておく必要があり、初心者のうちは出番が少ないので、まずは FALSE を覚えれば十分です。
検索値に空白が入っていそう。どう確かめる?
A. 見た目が同じでも、末尾に余分なスペースがあると別物として扱われ #N/A になります。=TRIM(A2) で前後の空白を取り除いた値で試すと、原因がスペースかどうか切り分けられます。
左側の列の値を取り出したいときは?
A. VLOOKUPは検索列より右側しか返せません。左側を取り出したいときは、XLOOKUP関数か、INDEXとMATCHの組み合わせを使うのが定番です。どちらも左右の制限がありません。
列番号を間違えていないか心配です。どう数えればいい?
A. 数えるのは「範囲の左端から」です。シート上のA・B・C…ではありません。範囲が F:H なら F=1、G=2、H=3。範囲を変えたら列番号も数え直しましょう。
同じ検索値が表に2つあるとどうなりますか?
A. 上から探していき、最初に見つかった1件だけを返します。2件目以降は無視されます。重複があると意図しない値が出ることがあるので、検索値は重複しないように管理するのが安心です。
数式をコピーしたら #N/A だらけになりました。なぜ?
A. 範囲が $ で固定されておらず、コピーで下にずれた可能性が高いです。範囲を選んで F4キー$F$2:$H$4 のように固定してから、もう一度コピーしてみてください。
VLOOKUPとXLOOKUP、どちらを覚えるべき?
A. 両方知っておくと安心ですが、まずはVLOOKUPです。古い環境でも使え、解説や資料も豊富だからです。新しいExcelを使っていて左側の値も引きたいなら、XLOOKUPに進むとぐっと楽になります。
「=VLOOKUP(」と打っても候補が出てこず、入力できません。
A. 日本語入力(全角)モードのまま打っている可能性が高いです。数式は半角で入力するのが基本なので、入力モードを半角(直接入力)に切りかえてから =VLOOKUP( と打ってみてください。先頭の「=(イコール)」も半角です。
範囲は「F:H」と列ぜんぶ、「F2:H4」と限定、どちらがいいですか?
A. あとから表に行が増える予定があるなら、F:H と列ぜんぶで指定すると自動で対象に入って便利です(コピーでもズレません)。表の大きさが固定なら $F$2:$H$4 と $ で固定して限定する方法でもOK。迷ったら列ぜんぶ(F:H)がおすすめです。
Mac版のExcelでも同じように使えますか?
A. はい、VLOOKUPの書き方はWindows版・Mac版で同じです。範囲を $ で固定するキーだけ、Macでは ⌘+T(環境により fn+F4)になることがあります。うまく $ が付かないときは、手で $F$2:$H$4 と打っても問題ありません。

📌 このページのまとめ

  1. VLOOKUPは表を縦に検索し、見つかった行の対応する値を返す関数。
  2. 引数は「検索値・範囲・列番号・検索方法」の4つ。
  3. 列番号は範囲の左から数えた番号。シートのA・B・Cではない。
  4. 検索方法は基本 FALSE(完全一致)。省略するとTRUE扱いになるので注意。
  5. 近似一致(TRUE)は段階判定に使い、左端列を昇順に並べる。
  6. 下にコピーするときは範囲を $ で固定(F4キーが便利)。
  7. #N/A は「見つからない」の合図。原因は空白・型違い・列ズレなど。IFERRORで「該当なし」と表示できる。
  8. 左の値を引きたいときは XLOOKUP か INDEX+MATCH を使う。